作業療法士の仕事内容をわかりやすく解説!理学療法士との違いも紹介

更新日:2024.09.30

公開日:2024.09.30

リハビリ

あなた自身や身近な人が作業療法士のお世話になったことで、作業療法士の仕事に興味を持つ人も少なくないでしょう。

しかし、作業療法士に興味を持っていても、作業療法士自体の仕事内容や、理学療法士との違いがわからない人も多いです。

この記事では将来の仕事に作業療法士を考えている人向けに、作業療法士の仕事内容を理学療法士と比べながら紹介します。

作業療法士の1日の流れや仕事のやりがいなどについても説明しているため、作業療法士を目指す人はこの記事を参考に、一緒に作業療法士の仕事について確認していきましょう。

作業療法士の仕事内容は大きく4つに分けられる

作業療法士の仕事は大きく4つに分けられます。それぞれについて確認していきましょう。

1. 関節を動かす・筋力をつけるなどの基本的身体機能の回復サポート

作業療法を行う対象となる患者は、障害や病気、ケガなどで身体やその機能の一部をうまく使えないことがあります。

身体機能をうまく使えていない患者に対して、硬くなった関節を動かす、筋力低下の改善などの基本的身体機能の回復をリハビリによってサポートすることが、作業療法士の仕事の1つです。

この身体機能の回復については理学療法士の得意とする分野でもあり、理学療法士も担当することがあります。

よって、基本的な身体機能を回復するサポートは作業療法士も理学療法士も行う仕事だと覚えておきましょう。

2. 食事や家事などをする応用的動作能力の回復サポート

基本的な身体機能を回復できたら、その身体機能を使って食事や家事などを行う応用的動作能力の回復サポートを作業療法士は行います。

食器を握れるようになったらその食器を使っての食事や、衣類をつかめるようになったら着替えや洗濯などをリハビリ訓練として行います。

この応用的動作能力については理学療法士の担当分野ではなく、作業療法士ならではのリハビリ内容です。

3. 通勤通学や地域活動など社会的適応能力の回復サポート

身体の基本的な機能、応用的な動作のリハビリに加えて、通勤通学や地域活動など社会適応能力の回復も作業療法士は支援します。

身体の機能だけではなく、作業を通じて精神的にもサポートをすることで、患者の社会復帰を促すことが作業療法士の仕事です。

患者が自分らしく社会の中で生きがいを感じながら生活するために、社会的な活動を通してリハビリを行います。

この社会的適応能力の回復サポートについても、理学療法士が担当しない作業療法士の専門分野です。

4. 福祉用具や住宅などの住みやすい環境づくりのサポート

身体機能に困難を抱える患者に対して、作業療法士が福祉用具や住環境のアドバイスを行う場合もあります。

義肢や義足を用いた場合のリハビリや、患者がより住みやすい住宅になるように患者本人や家族と相談するなど、患者が自分らしい生活をするために作業療法士は支援します。

このようなアドバイスは理学療法士が行う場合もあり、作業療法士と理学療法士が共通で担当可能な仕事です。

作業療法士にしかできないことは2つ

作業療法士と理学療法士は名前が似ており、混同されて考えられがちです。しかし、作業療法士にしかできないこともあります。

ここでは作業療法士にしかできない代表的な2つの仕事を紹介します。

1. 作業を通じて心の病気の人のサポート

心の病気の人のサポートは作業療法士にしかできないことの代表的な例です。

精神的な疾患を抱える人は、日常生活を送るために必須の着替え・食事などの動作や、家事などにも困難を抱える場合があります。

これらの日常動作が再び行えるように、作業を通じて精神的なサポートを行うことは作業療法士にしかできない大切な仕事です。

2. 職業訓練や仕事をする能力をサポートして就労支援

心身に困難を抱えている人で日常生活のための動作ができる人でも、仕事や就労ができない人もいます。

就労が難しい人に対して職業訓練や、仕事をするための能力回復をサポートして就労支援を行うことは作業療法士にしかできないことです。

理学療法士の役割が患者の身体機能回復による社会復帰のサポートだとすると、作業療法士は身体機能に加えて、精神的な面でも患者の社会復帰をサポートすると考えればわかりやすいです。

理学療法士も作業療法士も患者の社会復帰を目指すことに変わりはありません。

ただし、理学療法士が身体的なサポートに特化していることに対して、精神的な面までのサポートも含む職業が作業療法士だと考えましょう。

作業療法士の1日の仕事の流れ

作業療法士の一般的な1日の仕事の流れを紹介します。

午前中は出勤とミーティングやリハビリ施術

作業療法士は朝に出勤して、その日の患者の状態、リハビリ内容やスケジュールをミーティングで確認します。

複数のメンバーがいる医療チーム全体で1人の患者の治療にあたるため、それぞれのメンバーが患者の治療の進行具合を把握しておく必要があります。

また、各担当による患者の状態を共有することで効果的にリハビリを行えるため、ミーティングも重要な仕事です。

このミーティングを踏まえて患者のリハビリを午前中から開始します。

午後はリハビリ施術や事務作業をして退勤

お昼休憩を取り、午後の仕事が始まると午前中に行ったミーティングに合わせた内容でまたリハビリを行います。

リハビリの人数によって、午後は事務作業やリハビリの記録などをつける場合もあります。

記録をもとに患者にとってより良いリハビリを提供できるように、ほかのメンバーとも相談してリハビリ内容を検討する場合もあるでしょう。

このような午後の業務が完了したら退勤となります。

勉強会や講習会に参加する場合もある

作業療法士が所属する医療業界では、知識や技術は日々進歩しています。その進歩についていくために、勉強会や講習会に参加することも作業療法士の仕事の1つです。

勤務時間中に開催されるものもあれば、業務時間外に開催されるものもあります。

常に最新の情報を把握しておくことは優秀な作業療法士でいるために必須です。

勉強会や講習会に参加するだけではなく、日頃から学習する習慣は持っておくようにしましょう。

作業療法士は患者の回復していく姿を見られることがやりがい

作業療法士は患者の回復していく姿を見られることが大きなやりがいです。

できなかったことができるようになった患者の姿や、それに対して喜ぶ患者の姿を目の前で見られることが作業療法士にとっては何よりの喜びです。

また、患者が回復や成長に対して直接お礼を伝えてくれることもあり、それも大きな喜びややりがいを感じられるシーンでしょう。

患者が社会復帰できたときも大きな喜びを感じる

さらに、患者が社会復帰できたときにも大きな達成感と喜びがあります。

自宅に1人でも問題なく過ごせるようになった、企業に就職できたなど患者が抱えていた困難を乗り越え社会復帰できたときも、作業療法士としてのやりがいを感じられる瞬間です。

作業療法士として患者に心から寄り添い、その成果を患者と共に分かち合える瞬間は、ほかの職業では味わえない作業療法士ならではの達成感とやりがいがあるでしょう。

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