理学療法士の仕事内容や資格についてわかりやすく解説します

更新日:2024.08.28

公開日:2024.08.28

リハビリ

将来は理学療法士として社会に出て活躍したいと考える人でも、実際に理学療法士がどのような仕事をするのかわからない人は多いでしょう。

リハビリのサポートをするイメージのある理学療法士には、リハビリ以外にもさまざまな仕事をしています。

この記事では、そのような理学療法士の仕事について詳しく説明しているほか、仕事のやりがいや理学療法士の目指し方などを紹介しています。

将来の進路に理学療法士を選んで良いか悩んでいる人は、この記事を参考に理学療法士の仕事についてより深く理解し、納得感を持って理学療法士の進路を選択できるようになりましょう。

理学療法士の仕事内容をわかりやすく5つに分けて紹介

理学療法士は多くの仕事をこなします。その中でも代表的な仕事を5つに分けて紹介します。

1. 治療前に評価をして治療の方向性を決める

理学療法士は患者のリハビリがメインです。

しかし、いきなりリハビリをするのではなく、その前に現在困っている症状がどのようなものか、さまざまな検査を行い、その原因はどこにあるのか評価することも理学療法士の仕事です。

医師が行う医学的な見地からの診察に加えて、患者の運動機能や神経機能を検査して今後の治療方針を医師と共に検討します。

2. 運動療法によって身体機能回復をサポートする

治療方針が決まったらその方針に従ってリハビリを行います。

リハビリの内容は運動療法をメインに実施することが多いです。

理学療法士がサポートをし、関節の動かせる範囲を広げる(関節可動域訓練)や筋肉の力を強くする(筋力増強訓練)などの運動療法を行い、実際に患者の体を動かすことで、身体の機能回復や維持を目指します。

歩行訓練や立ち上がり訓練、階段昇降訓練なども行い、元の生活に戻れるようにサポートします。

3. 物理療法で体の機能改善をサポートする

患者が自分の力で身体を動かすトレーニングのサポートをするほかにも、低周波や超音波、温熱などの物理療法を行い、外部から刺激を与えて身体機能の改善をサポートする場合もあります。

患者が痛みを感じる場合はその痛みの軽減や、外部刺激による筋力回復や血行促進などを目的として物理療法を行います。

患者の症状によって適した刺激が変わるため、医師と相談しながら患者に必要な物理療法を選択します。

4. 住みやすい環境を整えるアドバイスをする

患者が自宅でも不自由なく過ごせるように、家の設備にアドバイスをして住みやすい住環境を整えるサポートをすることもあります。

患者が自宅に戻ったら困りそうな点について、患者本人や家族と相談しながら理学療法士の知識を活かして設備の提案を行います。

たとえば家のつまずきやすい段差の解消や、必要な場所への手すりの設置を提案する場合があるでしょう。

健康な状態では問題ない家屋でも、体が動かしにくくなった人にとっては危険な場所になってしまう可能性があります。

そのような危険を理学療法士の知識と経験で先回りして解消してあげることで、患者にとって安全で快適な住居を作り上げることが理学療法士には求められます。

5. 必要に応じて義肢や車いすに関するサポートもする

患者によっては義手や義足などの義肢や、車いすが必要になる場合もあるでしょう。

義肢や車いすを必要とする患者一人ひとりに対して、医師や義肢装具士などと連携しながら最適なものを用意することも理学療法士の仕事です。

義肢の着脱方法や車いすの使い方などを伝えたり、できあがったものに対して患者とリハビリを重ねる中で使い心地を調整したりと、理学療法士に求められることはたくさんあります。

患者が自分らしい生活を取り戻すための十分なサポートをするために、患者があなたに相談しやすい雰囲気づくりや、良好な関係構築をできるコミュニケーションを普段から心がけておきましょう。

リハビリの内容は対象者によって異なる

リハビリの内容は当然リハビリを受ける対象者によって異なります。ここでは理学療法士が対応する代表的な例を取り上げて、実施されるサポート内容を説明します。

ケガや病気で身体機能が衰えた人には回復サポート

ケガや病気、加齢で身体機能が衰えた人には、身体機能の回復サポートがメインです。

立ち上がる・座る・歩く・ものをつかむなど、基本動作ができなくなっている状態から、基本動作を自分で行えるような回復サポートを行います。

自立したその人らしい生活を患者が自分ひとりで行えるように、基本動作を行う訓練を一緒に行います。

スポーツ選手にはケガの予防や競技復帰のためのサポート

アスリートやスポーツ選手のような激しい運動を日常的に行う人が故障した場合には、競技に復帰できるようにサポートをします。

ケガによって衰えてしまった筋機能や俊敏性、持久力などを、体の回復状態に合わせながら取り戻していく訓練を患者と一緒に行います。

また、ケガをしていない場合でも、ケガを予防する体の使い方を教えることもあるでしょう。

スポーツ選手にとってケガは、選手生命のかかる大きなものになってしまう場合があります。

ケガによってスポーツ選手としての人生に悪影響が出ないように、事前に対策をすることも理学療法士に求められる大切な仕事です。

基本動作の回復や競技復帰のサポート、そしてケガの予防など、すべてが患者の一生を左右する大切な仕事であることを忘れずに、日々の業務に真剣に取り組みましょう。

仕事のやりがいは目の前で患者が回復していく姿

理学療法士の仕事のやりがいは目の前で患者が回復していく姿を見られることです。

今まで日常生活を送れないほどのケガをしていた人が、寝たきりの状態からあなたのリハビリによって日々回復していく姿を見られることは、理学療法士としての何よりの喜びです。

大きな事故や病気を乗り越えて、患者がまた人生の輝きを取り戻していく瞬間に隣で寄り添えることは、ほかの職業にはない素晴らしい経験でしょう。

感謝の言葉を直接もらえるシーンも嬉しい

毎日一歩ずつ回復をする患者から直接感謝の言葉をもらえることも、理学療法士にとってこれ以上ない嬉しいシーンです。

自分の人生を取り戻せた、また自立した生活を送れるようになれた、それは理学療法士であるあなたのおかげだと感謝される瞬間は、理学療法士をやっていて良かったと心から思えるでしょう。

理学療法士として仕事をするためには国家資格が必要

やりがいの大きい理学療法士の仕事をするためには、国家資格が必要です。ここからは理学療法士の国家資格の取得方法について、一緒に確認していきましょう。

国家資格取得には養成施設卒業と試験合格が必須

国家資格取得には理学療法士養成施設といわれる学校を卒業して受験資格を得た後、国家試験に合格しなければなりません。

国家試験の合格率は80〜90%と非常に高い水準のため、試験について不安に感じる必要はありません。

学校での学習をしっかりと行い、さらに自習で国家資格対策を行えば問題なく合格できるため、事前準備を万全にして試験に臨みましょう。

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